おふくろからの電話

昔、いつだったか忘れたが。 庭にすずめがいたのでパンを細かくして与えた。そのとき私にこう言ってくれた人がいた。
「やたら野生の鳥にえさを与えてはいけない、小鳥はそれを当てにしていきることになる。明日来て君がえさを与えてくれなかったらまた新たに餌場を探し回らなければならない、かわいそうじゃないか」と、納得した。
その人は庭に餌場を作り、毎日欠かさずえさを用意して待っている。
鳥もその人もそれを楽しみにしていた。

ここのところ景気が悪く俺の収入が著しく減ってた。
この先どうなるのだろうかとか不安になってくる。
でもこの歳になると転職もままならない・・・

俺の両親はまだ健在である。親父は大正15年生まれ小規模の農家家で俺が10歳のときに辞めた。お袋は昭和5年生まれで20歳で嫁いできた、2人とも段々老いぼれてきた。
一日も長く生きていてもらいたい。別居をしてるとは行っても、車で20分も走れば行けるところに住んでいる。
俺と弟の2人の子供を育てるのに手いっぱいだったのだと思うが、財産は何もない。
3ヶ月前までは何万円か欠かさず持って行っていがここのところ・・・

今日お袋から電話が来た。久々に馬鹿話をし心が和んだ。よけいなことは言わなくてもお互いの心は分かっている。
とても情けない気持ちになった。